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「肉筆浮世絵展 江戸の誘惑」に魅せられて
2006-11-27 17:00:00 Category : 江戸東京博物館

ボストン美術館が所蔵している浮世絵が日本に里帰りしたという「肉筆浮世絵展 江戸の誘惑」を観に、江戸東京博物館へ出かけた。江戸東京博物館自体も楽しみであったのだが、浮世絵好きの私としては、これは行かねば一生後悔すると思ったのですよ。
江戸時代に活躍した喜多川歌麿や葛飾北斎、歌川広重、代表的な浮世絵師が描いた肉筆の浮世絵は、その多くは明治時代に来日したアメリカ人医師のウィリアム・ビゲロー氏によって買い集められ、そのほとんどをボストン美術館に寄贈されたそうです。コレクションはあまりにも膨大な数があったため、作品の調査が進まずに長い間「幻の浮世絵コレクション」とされていましたが、1996年から日本人研究者が現地で調査したところ、版画とは違ったこの世に一点しかない肉筆の浮世絵(ということは一点もの!)が700点近く見つかったそうです。この展覧会では、このコレクションの中から選りすぐりの80点を世界に先駆けて初公開したそうです。
多くの絵師による江戸の四季や町文化の浮世絵をはじめ、北斎の幟絵(のぼりえ)や、提灯絵の復元も見ごたえあり。特に提灯は、保存のために解体されていたため、元の姿が分からないところからスタートして約6ヶ月かけて修復されているらしい。また、水木しげるの漫画にも影響を与えたといわれる鳥山石燕「百鬼夜行図巻」は、妖怪肉筆画としては世界で唯一の現存が確認されているものだそう。しかも、4メートルに渡っての絵巻なんだとか!一部といわず全部観たかった…。
観ていて思ったけれど、作品のひとつひとつが本当にキレイである。一世紀近くも経った作品とは思えないほど色彩が美しくて、その当時の息すら感じられる保存状態がよいものばかりだ。北斎の「鳳凰図屏風」なんてすごい迫力、存在感を強く感じられる。これだけの作品を一度に鑑賞できるのは、「館外展示を制限する」というウィリアム・ビゲロー氏の示した遺志を守り通し、保存したボストン美術館のお陰だなぁ~とぼんやり思った。本当に敬意を表したいです。しかし、プライスコレクションの「若冲と江戸絵画」展の時とかもそう思ったけれども、やはりこういう作品が生まれ故郷の日本にないという事実も少し悲しいものがあるな、とも思った。
江戸東京博物館では、12月10日までなのでもし観られていない方がいたらぜひ。
この展覧会は、観て損はないです。
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